認定こども園新宝珠幼稚園

園からのお知らせ

月刊「高野山~生かせ いのち」創刊1周年記念号 5月 引用

空海のことばを味わう12

『人はそれぞれ、
立場も
それぞれなのです。』

「仕事関係の人と性格的に合わなくて困る」とこぼす人がいます。
当たり前です。仕事の悩みの90パーセントは、人間関係の悩みといっても過言ではないのですから。
 しかし、「上司との関係がうまくいかない」となると、憂鬱でしょう。納得しようと、納得できまいと、命令や指示に従わなければならないことがあるからです。
 では、こう考えてみてはどうでしょうか。上司と自分は、たまたま職場で一緒になったものの、本来は他人。性格が合うなんて、めったにないはずです。
 もともと性格が合わないのが普通だと思えば、それほど気にする必要もないと思えませんか。
 もちろん、仕事に関して意見が対立したときは性格が合わないといった感情を引きずらず、「この仕事はこうしたほうがいいと思いますが」と堂々と自分の意見を述べればいいでしょう。
  そのとき、上司がこちらの話をまったく受け入れないとしたら、その上司を笑えばいいのです。厳しいビジネス社会でそんな度量の狭い人間が生き残れるはずがないと思います。
 いちばんいけないのは、性格が合わないからといって距離をおき、積極的に話をしない態度でしょう。毎日の仕事で疎遠になればますます関係が悪くなっていくのは目に見えています。
密接な関係を持たなければならない相手を苦手と感じてしまうとしたら、それはストレスの中でも、かなり厳しいものといえるでしょう。

空海は次のように話しています。
「摂持(しょうじ)とは入我我入(にゅうががにゅう)なり」
(『平城天皇潅頂文(へいぜいてんのうかんじょうもん)』

 入我とは、自分の中に仏様を引き入れること。また、我入とは、仏様の中に自分が入ることを意味します。つまり、自分と仏様が一体化するのです。
他人との関係に置き換えてみると「どうも納得がいかない」という言動を相手がしたら、ただ否定するだけでなく、相手の立場になって考えてみてはどうでしょうか。「自分も相手の立場だったら、同じようにしたな」と気持ちを切り替えられるかもしれません。
 すると、相手を見る目も違ってくるのではないでしょうか。

保坂 隆(ほさか たかし)
1952年山梨県生まれ 慶應義塾大学医学部卒業後、東海大学医学部教授、聖路加国際病院リエゾンセンター長・精神腫瘍科部長などを経て、現在、保坂サイコオンコロジー・クリニック院長、聖路加国際大学臨床教授。著書に「空海に出会った精神科医」(大法輪閣)など多数

 園では、お釈迦様のお誕生日をお祝いして1か月遅れのお花まつりを毎年5月に行っています。 園の敷地内に真言宗御室派(京都仁和寺が本山)のお寺「観音寺」があり、子どもたちは、毎朝仏さまに手を合わせて歌をうたいます。お昼ごはんの前にも、神さま仏さまそして、おうちの方にも感謝してご挨拶をしてから、いただくようにしています。
 世間では、宗教離れが取り上げられていますが、あまり難しくとらえず、生まれてきたことを感謝する。毎日ご飯を食べられることを有難いと思う。あるがままに過ごすことができることを嬉しく思うだけで十分だと思います。
 新型コロナウイルス感染症が流行拡大して、当たり前のことが当たり前でなくなった、例えば、学校が休みになって、そのことで、給食もストップして全国の色々な業種で食材があまり、スーパーに牛乳がたくさん並ぶこともありましたね。また、お店が閉まったり、行動など時間が制限されたり、気軽におじいちゃんやおばあちゃんに会えなくなったり、大勢で集まって食事も出来なくなって、結婚式や披露宴の形も大きく変わったところもありました。海外旅行だけでなく、日本でも県をまたいでの移動さえ、困難になりました。
 その反面、良い効果だったのは、日本が立ち遅れていたリモートワークが普及したこと等々。
 この流行がデメリットばかりではなかったと考え、前向きに、ポジティブに受け入れられるといいなぁと思っています。
 但し、今は感染が拡大し、医療がひっ迫しています、事故にあって大ケガをしても救急車や救急医療もすぐには対応してくれないかもしれません。もう一度、感染予防をしっかり行い、拡大防止に努めたいと思います。「自分だけは大丈夫」「テレビの中の話」ではないのです。いのちを大切にする行動をとりましょう。