新宝珠幼稚園園章新宝珠幼稚園

先生からのひとこと

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

去年の令和6年能登半島地震により、既に一年が経ちました。被害が甚大な事もあり、未だに傷跡を残しているあの大災害からもう一年も経ったとはとても信じがたいことです。

私たちも次にいつ来るか分からない災害に、備えないといけません。
昨今改めて防災について取り上げられる事が多くなり、各ご家庭でも防災グッズなどの見直しをされたり、意識されている方も多いかと思います。
今一度、防災について改めて考え、備えてみましょう。

以下、『Save the Children「子どもの防災について。地震にどう備えるのか再考してみませんか?」』https://column.savechildren.or.jp/disaster-prevention-for-children-about-earthquakes

① 家具類の転倒・落下防止

地震が起きた際、家具等の転倒で下敷きになったり怪我をする恐れがあります。
・突っ張り棒
・ドアストッパー
・ガラス飛散防止シート/窓ガラスフィルム
・転倒防止シート/ベルト/ストッパー
等々…
家具転倒や落下防止グッズを活用し、対策しましょう。
さらに、家具の配置の見直しも大切になってきます。ドア付近の家具転倒等によって避難経路が確保できない場合や、深夜等寝ていたり無防備な状態でいる時間帯に地震が発生した際に周囲に転倒する家具がある場合等、災害時に避難経路の確保が困難になるケースを予め想定し、避難経路を確保できるような家具の配置を目指しましょう。可能であれば、無防備な状態で長時間過ごす事の多い『寝室』は背の高い家具や落下物を置かない事を徹底するのが理想です。
また、気をつけていても避難時は物が散乱したりガラスの破片が散らばっていたりと足場が悪いのがほとんどです。普段過ごしている部屋の中や寝ている場所のすぐ近くに靴等を置いておくと安心です。

② 火事やケガに備える

・災害時には、火事や二次災害、ケガ等にも十分注意しましょう。
・日頃より、ストーブやガスコンロ等の付近に燃えやすい物を置かないようにし、また沸騰させたおやかんやティファール等にも、子どもを近づけないようにしましょう。
・消火器の位置や使用方法を確認したり、窓ガラスや鏡、割れ物等が割れて散乱するとケガをしやすいので飛散防止フィルム等で事前に対策しましょう。
・軍手や靴、懐中電灯等もすぐに手に取れる場所に置いておきましょう。
被災時にケガをしてしまった場合、医療機関が切迫した状況ではどうしても命に別状がないケガなどの対応は優先順位が下がります。しかし、ケガや火傷を十分な処置ができないまま避難生活を送っていると感染症などに見舞われる場合もあり、命に危険が迫ります。そういった事例で昨年の能登半島地震でもお子さまの尊い命が奪われてしまう大変痛ましい事案も記憶に残っています。
災害の多い日本に住む以上、何事もない今備えることに必ず意味があると考えます。

③ 食料・水・衛生用品等の生活必需品の確保

・自然災害により、生活必需品の確保が困難になる場合があります。日頃より各ご家庭で備蓄しておくことが大切です。
非常食は、家族の人数分3日~1週間分を目安に準備しましょう。長期間保存できるもの、なるべく食べ慣れている物を選ぶのがおすすめです。
・非常食の消費期限が切れる少し前に新しい非常食を用意し、古いものは食べてしまいましょう。
・飲料水についても飲む際に賞味期限は注意しなくてはいけませんが、被災時は飲料水以外にも水道が止まってしまいトイレを流すなどの生活用水も使えなくなる場合があり、そういった場合は消費期限切れの飲料水も活用できそうです。その他、日頃から浴槽やバケツに雨水等、貯水しておけると安心です。
・紙おむつや生理用品、マスク、ティッシュ等、紙類の消耗品も古くなると湿気等の劣化で衛生的にあまり良くはありません。食品ほどではないものの一定期間を設けて、定期的に備蓄品を買い替えましょう。
・消耗品の備蓄は普段使用している日用品のストックと兼ねると備蓄品の管理がしやすくなります。
普段の生活で食べる食品や使用する消耗品に防災のストックも含め消費し、また備蓄としてストックするこれらを「ローリングストック」とも言い、消費期限や使い勝手などが認識しやすくなり、普段からより防災が身近になります。
日用品のストックは量が多いと管理が大変ではありますが、少し余分にあると災害時に安心です。
昨今、防災グッズで備蓄品や非常食セット等も販売されているのでそちらを試してみるのも手っ取り早くておすすめです。そこにプラスアルファで自分たちに必要な物や合う物を適宜加えるとなお良いと思います。防災備蓄は日頃から見直し、アップデートもしていきましょう。

また、他県の災害や昨年の南海トラフ臨時情報に際して買い占め騒動なども度々ありますので、やはり日頃から備蓄しておくと安心できます。

④ 防災リュック(非常用持ち出し袋)を1人1つ用意

災害時の避難所には、備蓄が必ずしも揃っているとは限りません。災害の規模によってはすぐに支援物資が手元に届かない場合もあります。
生活するために必要な必需品をあらかじめ最低限、各自で準備しておく事が大切です。
また、災害時に避難する際に持ち出すものを準備するのは、持ち出し忘れや避難の遅れ、二次災害の原因になりかね危険です。必要最低限の物を事前に防災リュックに入れて準備しておけば、リュックを持ち出すだけになり避難が迅速にできる確率が上がります。
家族の人数分、1人1つ防災リュックがあると安心できます。
子どもの防災リュックの準備には、こちらを参考にするのもおすすめです。

『Save the Children「子どもにやさしい非常用持ち出し袋チェックリスト」』 https://www.savechildren.or.jp/news/publications/download/hijoyoumochidashibukuro_list.pdf

以上にプラスして、『名札』・『生年月日や血液型など万が一の際に必要な情報』・『保護者・園の連絡先を記載したもの』があるといいかも知れません。
子どもたちもそれぞれ十人十色ですので、その子に合わせて必要な防災グッズを上記に加えましょう。

家にある使っていないカバンに入れて防災リュックとして使うのも良いですし、スーパーやコーナン、家電量販店等の店頭、ネットでも防災リュックや非常用持ち出し袋がセットとして販売されていますので、値が張ったりもしますが、もし、何の備えもない…という場合等にはそちらを買ってしまうのも手っ取り早いかもしれません。カバン自体が撥水加工等で傷つきにくい物、ベルト部分にホイッスルが付いている物等もあり、防災に特化したものという安心感もあります。何から手を出したら分からない、という方におすすめです。

『防災グッズ公式通販サイト「LA・PITA」』
https://atrescue.jp/
昨今、こちらのサイトのように防災グッズも多岐に渡り、赤ちゃんから子ども用、非常食特化のセットなど、また、スーパーや無印良品、3COINS、100均等にも防災グッズやセットの特設コーナーがあり、防災に備えやすい環境でとてもありがたいことです。
私も昨年新たに防災リュックの中身を見直し、数点加えました。
『トラベル・サウナ用ショーツ(女性用、Lサイズ、4枚)』ダイソー
https://jp.daisonet.com/products/4550480289342?srsltid=AfmBOop4xNxOy9WKV1C6EEvo3_1HHB0Bmc3Me6Sbuk7pxSbMt9fPirZf
『圧縮ショート丈ソックス3足セット:レディース/SOBANI』3COINS
https://www.palcloset.jp/display/item/2315-KR404-0000/?b=3coins
『《8通りの使い方》多機能ツール/SOBANI』3COINS
https://www.palcloset.jp/display/item/2417-24C3745-00/?b=3coins&cl=61
『応急ケアセット/SOBANI』3COINS
https://www.palcloset.jp/display/item/2417-24C3743-00/?b=3coins&cl=61
『指型歯みがきシート』無印良品
https://www.muji.com/jp/ja/store/cmdty/detail/4550182926323?srsltid=AfmBOoo1HphekPt6XM36u0tfm8aUZ9fBiKxn0QD8-7PsoNQGjZ814YQs33E&gQT=1

そして、上記備蓄の欄にも記載しましたが、防災セット等を購入した際はプラスアルファで自分たちに必要な物や合う物を適宜加えるとなお良いです。防災リュックも日頃から見直し、使いやすいものにアップデートしていきましょう。

家にあるカバン使用する際は、念の為防水のために大きなビニール袋をカバンに入れ、その中に防災グッズを入れていきましょう。水や食品は消費期限があるため、カバンとは別に出し入れしやすいトートバッグなどに入れておくと、入れ替えもしやすくいざと言う時に持ち運びもしやすいです。
また、20Lなどの頑丈で大きな給水ボトルの中に防災グッズを入れ、持ち運べるようにしておくというのも一つの手です。

普段の持ち物に最低限の防災グッズをプラスして持ち運べる防災ポーチ防災ボトルなども発案されています。普段の防災やいざという時の持ち出しの時に活躍しそうです。
こちらもぜひ検索して、ご参考になさってください。

⑤ 避難所、避難経路の確認

皆さんが住んでいる地域には行政が指定する避難場所があります。あらかじめどこに避難したら良いのか確認しておきましょう。災害の種類によっては避難場所が異なる場合があります。東日本大震災では津波の避難警報時に地震対応の避難所へ行ってしまい、被災してしまったという痛ましい事案もあります。災害時はどうしてもパニックになりがちです。日頃からよく確認し、いつでも的確に判断できるようにしておきましょう。
お住まいの地域のハザードマップで避難経路や避難場所を事前に確認しておく事が大切です。日頃より近辺の街並みをよく観察し、災害時にはどんな被害が起きそうか、起きた場合の迂回路等対策を模索しておくのも良いでしょう。
また、災害時に家族が集まる手段、避難場所を家族の中で相談、共有しておけると安心ですね。

上記①②⑤の項目等を、子どもと一緒に子ども目線になって、地震や川の氾濫等の様々な災害パターンで家の中の動線確保や、避難経路の確保の確認が事前にできていると子どもたちも準備ができ、避難時の安心・安全にも繋がります。
家の近辺だけでなく、よく遊びに行く場所についても、遊びに行った時に避難ルートを一緒に考え、確認すると良いかもしれません。日々の積み重ねが意識する事に繋がります。

ご存じの方も多いと思いますが、2021年5月に、災害発生時の避難情報の変更になっています。避難するタイミングを判断するうえでとても重要なので、必ず確認しておきましょう。
『避難情報に関するガイドラインの改定(令和3年5月): 防災情報のページ - 内閣府』
https://www.bousai.go.jp/oukyu/hinanjouhou/r3_hinanjouhou_guideline/
園では、年度始めに毎年お配りしている「非常変災時における保育実施・対策について」のお手紙にもありますように、登園日の非常変災時は上記のガイドラインに沿って園も対応させていただきますので、ご確認のほどよろしくお願いいたします。

⑥ 子ども視点を取り入れた防災・避難生活

以下、『Save the Children「子どもの防災について。地震にどう備えるのか再考してみませんか?」』
https://column.savechildren.or.jp/disaster-prevention-for-children-about-earthquakesより抜粋
災害時、子どもは特に脆弱です。子どもは年齢によって直面する困難や危険も異なりますし、災害時の混乱などの中で、身体的虐待、性的虐待、ネグレクトなどの被害に遭う危険性も高まります。
災害時など普段と異なる状況の中で、すべての年齢の子どもが示す一般的反応として、再度同じようなことが起きるのではないかという不安を示すことがあります。
大人も同じように不安を示しますが、子どもの方が生きている年数や経験が少ないため、1回の体験への印象がより際立ち、再び、自分の大切な人や自分自身が傷ついたり、離ればなれになったりしてしまうのではないかという不安が非常に強くなります。
破壊された自分の地域を見て反応を示したり、家族やきょうだいと離れることに、強く反応を示したりする子どももいます。睡眠の問題も多くみられます。寝つきが悪くなったり、悪夢をみたりすることや、なかなか朝、起きないということが生じます。
食欲不振、あるいは過食といった問題が見られることもあります。また、些細なことで泣いたり、なかなか泣き止まなかったりするようなこともあります。
いつも以上に子どもの様子をしっかり見守り、子どもが安心できるよう手助けしたり、子どもの話しに耳を傾けたりするようにしてください。

⑦ 正しい情報の精査

最後に。今回の能登半島地震でも問題になりました、災害時のデマ等の誤情報拡散についてです。
災害等が起こる度、問題視されているのがデマやフェイクニュース等間違った情報による混乱です。
インターネットが普及した今、異常事態に乗じて悪質なデマが、愉快犯やデマだと分からずに拡散してしまう人等によって瞬く間に広まってしまいます。自分が見ている情報は本当に正しいのか、今一度正確な情報媒体を検索し確認、検証してみましょう。匿名のもの、ネットニュースや芸能人、政治家等の専門家ではない一個人が発信しているものは正確性が低い可能性があります。鵜吞みにせず慎重に判断しましょう。それでも正誤が断定できない場合は、拡散等はせずに保留にしておきましょう。

地震や台風など災害の多い日本では、やむを得ない状況ももちろんありますが、備える事が大切になってきます。今一度、子どもたち、家族の皆さんと一緒になって災害について考えてみましょう。

参考:『Save the Children「子どもにやさしい防災」』
https://www.savechildren.or.jp/lp/drr/
『NHK防災「子どもたちを災害から守る」』
https://www.nhk.or.jp/bousai/16_01/
『防災ニッポン「子ども用防災ポーチを作ってみよう!幼児期~中高生まで年代別に紹介」』
https://www.bosai.yomiuri.co.jp/article/11227
『日本赤十字社「令和6年能登半島地震災害義援金(石川県、富山県、新潟県、福井県)」』
https://www.jrc.or.jp/contribute/help/20240104/

認定こども園QアンドA